カルバマゼピンはすでに40年以上もの歴史を持つ抗てんかん薬の成分で、長い期間で使われてきた実績から安全性が確立されています。
てんかんだけでなく神経痛にも作用することか三叉神経痛の治療に用いられています。
興奮状態を引き起こすとされるグルタミン神経の受容体を遮断する働きがあることから1990年には躁うつ病の躁状態をコントロールすることができるとして承認されています。
現在のところ適応症となるのは、感覚異常や運動症状などの部分発作および全般発作の強直間代発作をおこすてんかん、三叉神経痛、躁うつ病の躁状態となります。
カルバマゼピンは抗てんかん薬として開発され、適応症は広いのですが基本的に有効となるのはてんかん発作のみです。
三叉神経痛や躁うつ病に一応は効果がありますが、胃が痛いので鎮痛剤を飲むといったようなもので、本来ならそれ相応の治療薬を処方するのが一般的です。
カルバマゼピンは躁状態をコントロールするには向いています。
根治することはないので継続して飲み続ける必要があり、減薬や断薬などを勝手に行うと症状が悪化するなど問題が起こる可能性があります。
薬によって病気を治すというより症状を抑え込むというのが正しい認識で、精神を安定させることで振り幅の大きい精神状態を静める作用を持っています。
そのせいか、既に症状が治ったと勘違いした人が急に服用をやめてしまうと、極端な感情の揺れによって以前よりも不安定になりやすくなります。
服用と治療の方法は医師と相談してしっかり決めた通りに行うことが大切になります。
取り扱いが非常に難しい飲み薬となるため、躁うつ症状だからと個人輸入で入手して安易に飲むことはやめておきましょう。